宮崎駿論 ~フィルモグラフィ的分析~

宮崎駿論 ~フィルモグラフィ的分析~

宮崎駿論 ~フィルモグラフィ的分析~

 宮崎駿が監督や制作に関わった映画作品を年代順に取り上げ、宮崎駿が何に関心を持ち、その関心はどのように変化していったのか、作品の特徴と変化を論じる。

 まず一作品目は、風の谷のナウシカである。ポスターのキャッチコピー「木々を愛で 虫と語り 風をまねく鳥の人」からわかるように、自然を愛し、人類の敵である蟲と分かり合おうとした、力を持った少女の物語である。少女はエンディングで、語り継がれる伝説と同じ奇跡を起こす。少女の革命の始まりの物語といえる。

 二作目は、天空の城ラピュタである。運命的な出会いを果たした少年と少女が、大きな陰謀に愛と勇気で立ち向かう物語である。行き過ぎた文明の発達で悲しい運命をたどった古代人の過ちを道しるべに、自分たちの信じる心を面向き通す物語といえる。

 三作品目は、火垂るの墓である。終戦前後の日本を生き抜く兄妹の物語である。命の儚さや死の恐怖を、運命に抗おうとする兄妹を通じて表現している物語といえる。また、となりのトトロは、トトロという不思議な生き物との出会いを通して、姉妹の絆の強さを確かめる物語となっている。共通して、兄弟愛を描いている物語であるといえる。

 四作品目は、魔女の宅急便である。邪悪な存在として描かれがちである魔女の、少女の独り立ちと恋と勇気の物語である。自分を見失いかけた主人公がもう一度立ち上がる様子を周りの支えや恋の強さで心強く描く物語であるといえる。

 五作品目は、紅の豚である。主人公は豚の容姿をしているが、本物のカッコよさとは容姿なんて関係ないというメッセージを、飛行機と女という男の戦いで描いている物語とい
える。

 ここまでの五作品の主人公像で見てみると、革命の乙女から運命に惹かれた少年少女、兄弟から思春期の少女、かっこいい男、とファンタジー調からリアルを追究する変化が読み取れる。また時代背景を見てみると、滅びかかった人類から力を欲する人類、戦争という過ちを犯した人類からごく普通の世界に魔女や豚の姿という稀なファンタジー要素を盛り込んでいることが読み取れる。

 以上のことから、ファンタジーを背景としたリアルから、リアルを背景としたファンタジーへと変化しつつあるということが読み取れると考える。

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