日本語敬語構造

日本語敬語構造

敬語の仕組み、種類と働き

  • 従来の3種類
    日本語の敬語は大きく分類すると以下の 3種類に分けられます。
種類 役割 体表的な用例
尊敬語 相手を高めて直接的に敬意を表す 「お/ご~になる」「お/ご~ください」
「れる・られる」
「いらっしゃいます」「召し上がる」などの特別な形
謙譲語 自分を低めて間接的に敬意を表す 「お/ご~する」
「~いたします」「~させていただく」
「お目にかかる」などの特別な形
丁寧語 文全体を丁寧な感じにする 「~でしょうか」「~でいらっしゃいます」「~でございます」

[collapse status=”false” title=”尊敬語”]

尊敬語とは 人を自分より上位に置く敬語

尊敬語は、相手や話題の人を自分よりも上位と見なし、その人に対する敬意を示すための言葉です。尊敬語の表現方法としては、前掲「基本の敬語」でも紹介した「です・ます調」の文体(敬体)とし、その人の呼称や所有物の名称、動作・状態を意味する動詞などに接頭語の「御」(お、ご)を付け、動詞の後には尊敬語の補助動詞も使われます。また、敬意を示すべき人にしか使用しない尊敬語の動詞や敬称の接尾語・代名詞も使われます。
よく使われる敬称の接尾語・代名詞や尊敬語の動詞・補助動詞には、以下のようなものがあります。

例:

敬称 様 殿 先生 奥様 令室 令息 令嬢
動詞 いらっしゃる お出でになる ご覧になる 召し上がる 
補助動詞 下さい なる(になる) なさる

[/collapse]

[collapse status=”false” title=”謙譲語”]

謙譲語とは 自分のことを見下す敬語

自分や自分サイドの人間、またはその所有物・動作・状態などを卑下(謙遜)することにより、相対的に相手や話題の人に対する敬意を示す言葉です。
謙譲語の表現方法としては、まず「です・ます調」の文体(敬体)とする点は尊敬語と同様ですが、接頭語の「御」(お、ご)は、自分の側から相手や第三者に向けて行う動作や差し上げる物を意味する言葉に付けます。また、自分の側の人・物を指す名詞にはそれを卑下する謙譲語がよく用いられ、謙譲語の動詞・補助動詞もよく使用されます。
よく使われる謙譲語の名詞・動詞・補助動詞には、以下のようなものがあります。

例:

名詞 愚息 粗品 粗茶 弊社 拙宅 拙著
動詞 頂く 伺う 申し上げる 差し上げる 
補助動詞 致す 頂く 上げる 差し上げる

[/collapse]

[collapse status=”false” title=”丁寧語”]

丁寧語とは 品格ある言葉遣いのための敬語

丁寧語は、尊敬語・謙譲語のように人との上下関係を意識して使用するものではなく、聞き手・読み手の気持ちに配慮して、口調や文面を美しく上品にするための敬語です。その表現の基本は、「です・ます調」の文体(敬体)です。ただし、助動詞の「です」・「ます」だけでなく、補助動詞「ございます」もよく使用されます。

  • 丁寧語と丁重語:
    丁重語は丁寧語に似た敬語。

丁寧語と丁重語は名称が似ていて使いかたも似ています。
二つの違いは、丁寧語はどんな場合にも使えますが、丁重語は謙譲語の一種であり聞き手に敬意を表す為に自分の動作に用いるということです。
丁重語も丁寧語もそれ単独では機能しません。丁重語は「申す」「参る」のみ、丁寧語は「です」「ます」のみだからです。
二つを区別する必要はありませんが、知っておくと敬意の表し方の程度を図ることが出来ます。
[/collapse]

  • 以下の5種類に分けて考えることができます
尊敬語 「いらっしゃる・おっしゃる」型
相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて,その人物を立てて述べるもの。
謙譲語I 「伺う・申し上げる」型
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。
謙譲語II(丁重語) 「参る・申す」型
自分側の行為・ものごとなどを,話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
丁寧語 「です・ます」型
話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。
美化語 「お酒・お料理」型
ものごとを,美化して述べるもの。

従来の3種類との関係
敬語は,「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類に分けて説明されることが多い。ここでの5種類は,従来の3種類に基づいて,現在の敬語の使い方をより深く理解するために,3種類のうち,「謙譲語」を「謙譲語I」と「謙譲語II」に,また「丁寧語」を「丁寧語」と「美化語」に分けたものである。

[scode type=”blue”]参考資料:日本文部省文化審議会発表 「敬語の指針」[/scode]


{{敬語:けいご}}{{接頭語:せっとうご}}

  • 敬語接頭語のは言葉の前につける言葉を接頭語、または{{接頭辞:せっとうし}}といいます。
  • 「御」=「お」・「ご」 / 多くの場合、「御」に置き換えることができます。
  • 一般的に、「お」は次の言葉が訓読み(和語/大和言葉)、「ご」は次の言葉が音読み(漢語)
  • 「お」・「ご」の品詞別の敬語表現例:

【「お」・「ご」+名詞の典型例と例外】

・お名前 お疲れ おいとま おもてなし
・ご親切 ご安心 ご挨拶 ご愛顧
・お世辞 お時間 お料理 お礼

【「お」・「ご」+動詞の例】

・お見えになる お見えなさる お見えです
・ご着席になる ご着席なさる ご着席です
 (※動作性の漢語名詞も含みます。)

【「お」+形容詞の例】

・お暑い お早い お忙しい お優しい

【「お」・「ご」+形容動詞の典型例と例外】

・お健やか おひま お気の毒 お疲れ様
・ご立派 ご満足 ご多忙 ご馳走様
・お綺麗 お上品 お節介 お邪魔

主な尊敬接頭語の例:

御(お) お知らせ お仕事 おかあさま おこさま お嬢さま お宅 お手紙
御(ご) ご配慮 ご両親 ご先祖 ご両親 ご隠居 ご一同 ご厚志 ご意見
貴(き) (個人)貴殿 貴下 貴女 貴君 貴兄 貴公 貴紳 貴台
(組織)貴国 貴町 貴市 貴村 貴庁 貴省 貴邸 貴家
貴堂 貴社 貴店 貴行 貴校 貴学 貴学園 貴会
貴院 貴医院 貴業
(意見)貴書 貴信 貴意 貴慮 
玉稿 玉案下 玉音 玉顔 玉体 玉杯 玉露 玉楼
尊名 尊家 尊台 尊顔 尊父 尊影 尊下 尊翰 尊宅 
令嬢 令夫人 令室 令姉 令兄 令息 令閨 
高名 高配 高閲 高屋 高官 高説 高著
芳名 芳志 芳信 芳墨 芳恩 芳紀 芳書
賢兄 賢察 賢台 賢覧 賢慮 
光臨 光来 光彩 

「御社」という言葉につく「御(おん)」も丁寧語の接頭語に用いられますが、これはかなり大袈裟な言葉づかいですので使いどころを考えてください。


{{敬語:けいご}}{{接尾語:せつびじ}}

敬称 様 殿 先生

美化語

  • 美化語とは、丁寧の接頭辞「お」または「ご」を付けた用語です。「お酒」「ご挨拶」などがこれに当たります。 全ての用語が美化語になれるわけではなく、日常よく使われる短い用語だけが美化語になります。敬語が簡略化されてきていますが、それにともなって変化の多い分野です。

必ず美化語の形で用いられる用語もあります。

  例 「おかず」「ご飯」

元の用語と美化語とで意味が変わってしまった用語もあります。

  例 「お冷」(冷) 「おにぎり」(握り) 「お三時」(三時)

漢語に「ご」が、和語に「お」がつくと言われていますが例外もあります。

  例外 「お電話」「お掃除」     漢語
  例外 「ごゆっくり」「ごもっとも」 和語

丁寧の接頭辞が付いて美化語になった結果、敬語になる用語があります。事務文書ではよく主語を示すために使います。

 例 尊敬語  「お心遣い」 「ご教示」
   謙譲語  「お相伴」  「ご進言」 

家に関する言葉や、食べ物に関する言葉に多く、女性の書いた文に多く出現します。丁寧の接頭辞の付け過ぎには注意する必要があります。

  例 「おトイレ」「おビール」

もとは美化語だったのが、漢字の「御」がついて固定した固有名詞もあります。

  例 「御所」「御神火」

幼児語は採択しませんでした。

 例 「おてて」

「お」がついて敬語表現になる和語動詞は、全ての和語動詞が敬語になるので採択しませんでした。

 例 「お読みする」「お調べになる」「お飲みの」

[scode type=”blue”]参考文献:文化審議会答申 敬語の指針 平成19年
 鈴木智映子 現代における接頭辞「お」「ご」の変遷 学習院大学人文科学論集XII(2003)[/scode]


三人称

敬語の一人称・二人称・三人称の使い方と例文

敬語には、自分・相手・第三者のことを指す呼称があり、一般の名詞とは区別して一人称(自称)・二人称(対象)・三人称(他称)と呼ばれています。

  • 一人称の謙譲語と使用例
    一人称の敬語は、自分のことをへりくだって呼ぶ謙譲語です。その中には、自分のことだけでなく、自分の属する企業・団体を指す言葉も含まれます。「弊社」などはその代表的なものであり、会話の中でも使用されます。しかし、大半は文書上だけで使う書き言葉です。

小生[男性] 愚僧・拙僧[僧侶]
小職[公務員] 小官[自衛官] 弊社[企業]

例) 日頃より弊社へのご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

  • 二人称の尊敬語と使用例
    二人称の敬語は、相手に対し敬意を払って使う尊敬語です。個人や企業・団体に対して使う接頭語の「貴」を付けた二人称代名詞が非常に多く存在します。また、人を指す一般の名詞に通常「様」を付けて呼ばれる代名詞的な呼称も多数あります。

貴方・貴女・貴男(読みはすべて「あなた」)
貴君[男性] 貴兄[男性] 貴職[公務員]
貴社・御社[企業] 貴店[店舗]
先生 奥様 お父様 お母様 おじ様 おば様
おじい様 おばあ様 お兄様 お姉様 お客様

例) 貴社益々のご繁栄をお祈り申し上げます。

  • 三人称の尊敬語と使用例
    三人称の敬語は、話題の人物に敬意を払って使う尊敬語です。二人称で代名詞的に使われる呼称のほとんどが、三人称の敬語としても用いられます。

先生 ご主人 奥様 旦那様 お父様 お母様
おじ様 おば様 おじい様 おばあ様
お兄様 お姉様 お客様

例) ご主人のお加減はいかがですか。


動詞の例

{{普通形:ふつうけい}} {{ます形:ますけい}}({{丁寧語:ていねいご}}) {{尊敬語:そんけいご}} {{謙譲語:けんじょうご}}
行く 行きます いらっしゃいます {{参:まい}}ります
来る 来ます いらっしゃいます {{参:まい}}ります
居る 居ます いらっしゃいます {{居:お}}ります
言う 言います おっしゃいます {{申:もう}}します
見る 見ます ご{{覧:らん}}になります {{拝見:はいけん}}します
飲む 飲みます {{召:め}}し{{上:あ}}がります {{頂:いただ}}きます
食べる 食べます {{召:め}}し{{上:あ}}がります {{頂:いただ}}きます
知ってる 知っています ご{{存知:ぞんじ}}です {{存知:ぞんじ}}でおります
思う 思います 思いになります {{存:ぞん}}じます
する します なさいます {{致:いた}}します
くれる くれます くださいます ――
あげる あげます ―― {{差:さ}}し{{上:あ}}げます
もらう もらいます ―― {{頂:いただ}}きます
会う 会います {{御:お}}{{会:わ}}いになります お{{目:め}}にかかります
聞く 聞きます {{御:お}}聞きになります {{伺:うかが}}います
有る 有ります {{御:お}}{{有:あ}}りになります {{御座:ござ}}います
持つ 持ちます {{御:お}}持ちになります お持ちします
~だ ~です ~でいらっしゃいます ~でございます
死んだ 死にました {{御:お}}{{亡:な}}くなりになりました ――
寝る 寝ます お休みになります ――
着る 着ます {{御:お}}{{召:め}}しになります({{御:お}}{{履:は}}きになります) ――

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